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ひと足だけ、みちのく(1)

生まれ育った町を出たかった。
その町を出た今は、生まれ育った関東を出たい。
しかし、せっかく得た仕事を放り出すわけにはいかない。
ならば、せめて短い休みでも、ほんの数kmでも関東を出たい。

旅先を考えるときは、いつもそう思う。

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所用で、妻と共に栃木県小山市を訪ねた。
所用を済ませると、妻と別れた。妻はこのまま自分の実家に向かい、明日からは義母や義姉たちと旅行に出かける予定だ。
週末、私は独りで過ごすことになった。

小山駅に着くとケータイを取り出し、目星を付けておいたホテルの空室を確認する。
「シングル禁煙のお部屋、ご用意できます」
丁寧な物腰に応えて電話を切ってから10分後、東北本線下り列車のシートに腰を落ち着けた。

自宅の本棚から適当に拾い上げた文庫本を広げると、思いのほか夢中となった。
二度は読んだ、作家の日常を淡々と描いた私小説なのに。
時折顔を上げると、窓の外は緑に輝く水田しか見えない。

黒磯駅で乗り換えたときは、「関東臭さ」がかなり抜けていた。
まったく知らない土地だ。少なくとも鉄道を使う場合では。
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栃木・福島県境の豊原駅は、小高い山の上。
車内から眺める限り、駅前には林しか見えない。
何故、ここに駅を設けたのか。
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豊原駅を出ると、線路はその高さのまま、川や低地の集落を飛び越える。
関東平野を抜け出た感触が、じわじわ来る。
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小山を出て3時間後、新白河の駅で降り、駅前のホテルに投宿した。

夕食は、スーパーで購う。
飲食店を選ぶのとは違う脳の働きをしているようで、創造的な楽しさがある。
ときどき物流関係のビジネスマンになったつもりでアレコレ想像するのも、非常に楽しい。
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